バグパイプの歴史と演奏法は?奏者がスカート履いてるのはなんで?

一時期ケルト民族の音楽が流行った時がありましたね。
無印良品に行くと流れていたあの音楽です。
バグパイプで演奏されていて、北欧の深い森を思わせるような音色が素敵ですよね。
ちなみにバグパイプっていつからあるんでしょうか?
演奏者の人はだいたいおじさんでスカート履いてるけど、若い人もいるの?
今回はそんなことについて調べてみました。
バグパイプの歴史とは?
バグパイプといっても色々種類がありますが、スコットランドの「グレート・ハイランド・バグパイプ」が一番有名ですね。
実はバグパイプはスコットランドに限らずヨーロッパ各国やアメリカ、オーストラリアにも広まっていますが、それはケルト民族の移民が多いからだそうです。
バグパイプ=スコットランドというよりは、バグパイプ=ケルト民族の楽器 ですね。
バグパイプはずいぶん昔からあるようで、三世紀ごろのローマ帝国時代からあったという記録があります。
バグパイプは戦争のときに使われていました。
よく進軍のときにラッパを吹いたり太鼓を叩いたりしながら敵を威嚇して突撃するのを映画などで見たことありませんか?
バグパイパーは武器を持った兵士たちより前、軍の一番先頭に立って兵を鼓舞し敵を威嚇しながら進んでいくのです。
ですが彼らは武器を持っていないので敵に真っ先にやられてしまいます。
それでもバグパイプの音は鳴り止みません。
なぜかというと、後ろから来た兵士たちが戦死したパイパーのバグパイプを拾って鳴らしながら進んだからです。
倒しても倒してもバグパイプの音が鳴り止まず、敵はさぞ恐ろしかったでしょうね。
当時、スコットランドは各地に兵を派遣していたこともありヨーロッパやアメリカでもバグパイプが伝わっていったのではないかと思われます。
また、バグパイプが今のような形になったのは18世紀ごろのこと。
それまではこのラッパのような煙突のようなドローンと呼ばれるものが一本だけだったのが3本に確立されました。
今では伝統的な楽器として各国で演奏され、お祭りや儀式などでも演奏されています。
大会やコンサートもあり、バグパイプバンドも多く存在します。
バグパイプの演奏法は?
まずバグパイプの持ち方です。
まず袋の部分を左の脇にはさみ、息を吹き込む部分(ブローパイプ)を口にくわえ、リコーダーのようなチャンターというところに両手の指を置いて音階を奏でていきます。
次に、ブローパイプから袋がいっぱいに膨れるまで息を入れます。
その袋を左脇で押すことでドローン(3本の筒)とチャンターから音が出ます。
バグパイプの構造上、まず3本のドローンに空気が通ってからチャンターに空気がいきます。
ブローパイプは常にくわえておき、常に袋に空気が溜まっている状態を保ちましょう。
演奏を終える時に袋に空気がパンパンに入っていると、脇で押さなくても音が出てしまってパッときれいに音を切ることができません。
終盤になったら息を吹き込む量を調節し、少し袋がへこむくらいの量になってから脇の力を一気に抜くとかっこよく最後を〆ることができます。
バグパイプは3本のドローンから常に同じ音がプァーーーと出続け、それに乗せてチャンターでメロディーを奏でていくものなのでかなり重厚感がありますし音も結構大きいです。
またスタッカートのようなことができず途中で音を切ることができないので、チャンターの指使いにもテクニックが必要です。
最初はドローンから音を出すのも難しいですが、独特の音色はとても民族的な音色で素敵なので、演奏できるようになったら友達にも自慢できそうです!
バグパイプの演奏者はスカートを履いている!?パイパーはおじさんだけ!?

バグパイプを吹いている人はチェックのスカートを履いて帽子をかぶっているイメージですよね。
ですが、このスカートのようなものは「キルト」といって、もともとは一枚のウール生地だったそうです。
(ちなみにスカートと言うと怒られますよ!)
でもプリーツにおられていたり、ベルトやピンで止めたりしてとてもオシャレなんです!
そしてこのチェック柄ですが、これも「タータン」といって家ごとに色や柄が異なるんだそうです。
日本で言えば家紋のようなものです。
ちゃんと登録もされているんだそうですよ!
なので「タータン・チェック」というのとはまた違います。
私達は縦線と横線が均等に惹かれたものをまとめてタータンチェックと言っていますが、現地の人からしてみれば大事な家の識別のための柄だったんですね。
そして今でもスコットランド人や移民の皆さんは正装としてキルトを着ることも多々あるようです。
必ず一枚は正装として持っているそうです。
男性のスカート、というよりは本当に荘厳でかっこいい民族衣装なんですね。
パイパーはおじさんだけ!?
なぜかバグパイプを演奏している人っておじさんしか見たことないような気がしませんか?
今では演奏者が減っておじさんしかいなくなったのか…?
決してそんなことはありません!
ちゃんと若いバグパイパーもいますし、女性もいます。
確かに戦争で使われていた頃は男性の楽器だったのかもしれませんが、今では老若男女問わず、また国を問わず人気の楽器です。
日本にもバグパイプバンドもありますし、プロの奏者もいらっしゃいます。
バグパイプの知名度は上がってきていますが、もっと人気が出てくれば日本でも生の演奏がもっと気軽に聞けるようになるかもしれませんね!
おさらい
今回の内容をまとめてみました。
【バグパイプの歴史】
ケルト民族が演奏していた楽器で、ローマ帝国時代にもあったという記録がある
当時は戦争で使われ、軍の戦闘で兵を鼓舞し敵を威嚇していた
18世紀ごろには今のようなドローンが3本のものに確立
現在もお祭り、儀式などで演奏されている
【演奏の仕方】
袋を左脇にハサミ、ブローパイプを加えて袋に息を吹き込む
脇で袋を押すと空気がドローンとチャンターに通って音が出る
チャンターでメロディーを奏でる
袋の空気がなくならないように常にブローパイプから息を吹き込む
演奏の最後は袋の空気を少なめにして脇で押さえるのをやめる
【バグパイプを吹く時の正装】
スカートのようなものは「キルト」といい、チェックがらは「タータン」と言って家紋のようなもので家ごとに柄が違う
今でもスコットランド人は正装として着用する
バグパイパーは若者も女性もいる
世界中で奏者も増えており、日本人のプロバグパイパーもいる
私も実際にバグパイプを見たことはないのですが、ぜひ見てみたいですね。
ちなみに「ハイランドゲームズ」といって、キルトを着て運動会のようなことをするイベントが幕張と神戸で行われているそうです!
すごく面白そう!私も行ってみたいと思います!